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New York

2001 年 12/2 - 12/6 に,出張で NY に行ってきたのだ。何もわざわざ 9/11 テロの直後に…という意見もあるでしょうが,仕事なのでしょうがない。初海外だったのもあっていろいろと写真を撮ったりもしたので,記録をまとめておく。外科の先生と2人で行ったんだけど,医局の人が NY の病院にいて,ずっとお世話になった。この先生とは,その後もずっと仲良くしてもらってる。


Dec 2

昼過ぎの新幹線で仙台を発って,東京で成田 Express に乗り換えて成田へ。荷物の受付の行列が長くて30分程並んだけど,トランクも一応機内持ち込みできない事もなさそうなサイズだということで,結局は持ち込むことにした。その後とりあえず2万円をドルに両替($1 = 126.75 円で $157 になった)してからチェックイン。62 番だったか,とにかく一番奥のゲートだったので,免税店の間をひたすら歩く(動く歩道はあったけど)。搭乗ロビーに着くと,なんだか日本人が少ない。始めて気付いたけど,どうやら NY 経由 Sao Paulo 行きらしい。

搭乗開始のアナウンスが流れると,みんな一斉にゲートに並び始める。いつも思うんだけど,先に乗っても後に乗っても変わらないと思うんだけどなぁ。こんな渾沌とした列を作るよりも,座席が奥の方の人から順番に乗せたらみんな幸せになりそう。まぁとにかく乗り込んで,各種冊子とかのチェック。背もたれ裏に液晶画面がついてて,映画が 10 チャンネルくらい,地図&現在位置,機体前方/下方カメラが見られるらしい。20 チャンネルくらいのオーディオと,ゲームまでついている。国内線ではしつこいほど説明する救命胴衣や酸素マスクの説明が,ビデオ流すだけだったのが意外だった。操縦室の警告灯だかにトラブルがあって30分程遅れたけど,とりあえず離陸。加速&上昇を味わったあとは,ひたすら映画。

そうこうする間にあっという間に夜が明けて,機外が明るくなってきた。カナダ西部の,ロッキー山脈の裏あたり。外を見ると不思議な地形が。標高差がない所に水が流れるとこうなるんだろうか? 海に行こうという気概が全く感じられない川なのだ。

うねうねした川

ちなみに,こんな平らなところにダムを作ると,一反木綿のようになってしまうらしい。

一反木綿ダム

雲海に突入したので,再び映画に戻る。結局まるまる5本見てしまった。プリティプリンセス,キューティーブロンド,グリーンクラブ,それに何やら犯罪モノとメジャーリーグのホームラン競争ネタのドキュメントっぽいやつ。

離陸から 11 時間ほど経過して,やっと NY に到着。税関に提出するグリーンのカードの書き方が良く分からなくて…いや,そもそもどういう状況の人が書く必要があるのかから分からなくて,キャビンアテンダントに教えてもらう。なんだよ,ホテルの名前だけで良いのか。空港に着いて飛行機を降り,ゲートに並ぶ。パスポートに VISA のスタンプを捺すやつ。いろいろ聞かれるのかと思ったら「何日いるんだ?」だけで拍子抜け。その後税関を「申告するものないよ〜」とか言って通過して終わり。ひじょーに簡単。

出迎えてくれた NY 在住の Dr. 福山と無事に合流して,とりあえずタクシーでホテルまで。タクシーの運ちゃんが持ってきた紙を乗り場の係員がチェックしてボールペンで穴をあける。何をチェックしてるんだか良く分からないけど,Medallion の番号チェックかな。もぐりのタクシーに引っ掛かると,結構大変らしい。ホテルまでは 30 分くらいだったかな。エンパイヤステートビルが見えたりグランドセントラル駅の脇を通ったりして,結構楽しい。

ホテルに到着してチェックイン。Hilton New York は豪華なのだ。「何をするにもキャッシュカード」ってのをすっかり忘れてたけど,チェックインにも身分証明のためにキャッシュカードを要求されるのかぁ。まぁ,これなら夜逃げされても大丈夫だもんな。当然ながら,部屋も豪華。テレビは 30 チャンネルくらいあって何が何だか良く分からない。(^^;; コードレスキーボードとゲームのコントローラも付いてて,web を見たりゲームをやったりもできるらしい(有料だけど)。とりあえず荷物の整理だけしてロビーに集合。とりあえず呑みに出ることに。

カーネギーホールのある 58th St. の 1 本北に,麦って和風居酒屋があるのだ。ここの店の御主人の奥さんが医局にいる人の元同級生だとかでここに決定。行ってみると,まるで日本の居酒屋なのだ。NY まで来て,始めて喰うモノがホヤだとは思わなかった。ちなみに,NY で始めて呑んだ酒はアサヒスーパードライだった。(^^;; 下の写真は,麦の店内と御主人夫妻。

麦の店内

麦の御主人

しばらく呑んでから店を出て,ロックフェラーセンターまで Mid Manhattan を散歩。映画とかにも良く出てくる巨大クリスマスツリーは,本当に巨大だった。左の写真の金色のレリーフの下には,有名なスケートリンクがあります。良く見ると,滑ってる人の上体ががちまちまと写ってる。右側の写真はちょっと離れた所から。天使も吹いてるファンファーレトランペットは,まだ買ってない(おい)。裏側にまわってみると,鉢の高さがすでに人よりでかいのだ。この写真だと良く分からないけど,色付きのランプがツリーの一番下の枝。広場の端には星条旗がひるがえっている。

巨大ツリー  巨大ツリー 2

巨大ツリーの根元

ホテルに戻ったけどケーブルテレビが全然映らないので,あきらめて 1 時くらいには就寝。


Dec 3

朝の America's Ave.

のんびり寝たつもりが,8 時前に目が覚めてしまった。時差のせいか?(って,日本では夜 10 時だ (^^;;) 写真は朝の America's Ave. なのだ。夜明け直後みたいな風景。

午前中は地下鉄に乗って WTC 跡地へ。膨大な瓦礫の山と St. Patric 教会のフェンス一面のメッセージ。人。TV なんかで見てるより遥かに巨大な敷地。これはちょっと撮る気になれなかったので,写真はない。

昼間は病院に行って,NY のスタッフとの顔合わせなどなど。マンハッタン最大の立派な病院なのだ。ドクターは手術中だという事で手術室に。実は手術室に入るのはこれが始めてだったりする。ガウンに着替えはしたけど,ふらっと入れてしまった。それで良いのか?(^^;; ちなみにやってた手術は肥満の手術。胃の大彎側をガバッと切除して食道くらいの太さの胃にした上に,小腸も 2.5m まで切り詰めるそうな。そこまでしないとダメなくらいの肥満って,日本ではまず見かけない。アメリカ全土には 300 万人もいるんだそうで。でも肥満手術の件数は,全土で年間 9 万件。1 年に 3% しか救えないらしい。それにしても,胃の大部分を切除する手術が内視鏡でできるってすごいよな。この人の場合も,普通に切開したら体力的にもたないだろうって話。

一度ホテルに戻って,ロビーで病院のドクターと待ち合わせ。New York Marriott Marquis の展望レストランへ。丸いフロアが1時間くらいで1回転するのだ。何やらステーキを喰った(種類が多くて訳が分からない)あと,Bronx にあるドクターのアパートを訪問。元同僚だという人も来ていて,ワインを呑みながらさんざん歓談。ホテルに戻ったのは結局2時過ぎ。


Dec 4

この日はキツかった! 午前中にミーティングが3つ。しかも全部英語だ(当たり前)。誰だよ,こんなスケジュール組んだの。(^^;; まぁでも,それなりに仕事の計画が進んだのでヨシとしよう。

午後は何も予定がないので観光。セントラルパークをのんびり横断して,自然史博物館へ。セントラルパークは広いぞー。ほんの一角にあるこの広場には,野球のグラウンドが 8 面取れる。

野球場群

さすがにこれだけ広いと,動物もいろいろいる。リスはそこら中で遊んでるし,鳥もいろいろ。ついでに散歩中の犬もそこかしこに。こんなリスがこんな近くにいたり(写真左)とか,しかもそこが車道のすぐ脇(写真右:リスは木の根元にいる)だったりするのだ。なんか不思議な感じ。

リス taxi

1時間半くらいかけて自然史博物館に到着。こんなとこでも,入る時には荷物チェックがある。ここがまた広いので,全然回りきれなかった。その中に,先進国の裕福な生活と後進国の質素な生活の比較,みたいなパネルがあった。家財道具を全部,家の前に並べた写真なのだ。テレビはでかいし乾燥機まであるし,結構モノ持ちな家だよなぁ。 で,このパネルが気に喰わなかったので御紹介。

パネル
拡大画像

The average Japanese citizen consumes about 20 to 40 times more meat annually than the average citizen of India. In India, more than 95 percent of all grain consumed is eaten directly, rather than used to feed livestock. Whereas the average Japanese income in the 1990s is around $30,000 per year, the average Indean earns less than $1 a day.

(平均的な日本人は,平均的インド人の 20 - 40 倍の肉を消費する。インドでは,消費される穀物の 95% 以上が,家畜の飼料になるのではなく,直接食べられている。平均的日本人の年収は 1990 年代では $30,000 なのに対して,平均的インド人は1日に $1 以下しか稼いでいない。)

肉の消費量って食習慣の問題もあるから,単純に比較してもしょうがないと思うんだよな。でもそれ以上に,年収と日収の数字を並べるのはずるいだろ。実際の数字以上に,貧富の差が大きいって印象を与えると思う。さらにもう一つ,アメリカについての数字はどうなの?

そうこうするうちに時間になってしまったので,いくつかお土産を買ってから病院へ。せっかくなのでタクシーを拾ってみた。今回の旅では,一人でタクシーに乗るのを目標にしてたので,良いチャンス。マンハッタンは一方通行が多いので「あっちから回るか?」「いや,こっちの方が近いだろ」「だったら 96th St. から歩けばすぐだ」とかややこしい。途中で突然「隣の車の運転手を見てみろ」とか言われたんで何かと思ったら,「あいつゲイだぞ。俺に手を振りやがった」とか。(^^;;

病院に戻ってから,またもやドクターと一緒にディナー。今度は Remi ってイタリアンレストラン。壁にフレスコ画みたいなのがどどんとあったりして,なかなか良い店(自分で払うのでなければ)。Waiting Bar もあったりしてカッコイイのだ。久々にウサギ肉なんぞを食べてみた。モモ肉や肋骨辺り(スペアリブ?)や最長筋(背筋)が出てきて,それぞれ味が違ってて面白かった。実験用のウサギよりうまい(おい)。

これでホテルに戻ったんだけど,最後の夜だしせっかく(?)なので,しばらく表をうろついた挙げ句にホテルのすぐ裏にある FACES & NAMES ってバーにふらっと入ってみた。一人でバーで呑むのも今回の旅の目標の一つだ。すごーく普通のバーだと思う,多分。とりあえずカウンターに座ってビールを呑む。

しばらく店の人や隣に座ったブロンドのねーちゃんとしゃべりながら呑んでて,そろそろ日付けも変わろうかという頃,奥のテーブルのグループから一斉に「Happy Birthday!」の声が。したら店中からも「Happy Birthday!」の声と拍手。大した事ではないけど,なんかいいなぁ,こういうの。そのうちパーティーの主役の誕生日の人が隣のねーちゃんをパーティーに誘いに来て(別に知り合いではないので,よーするにいわゆるナンパです),ブロンドのねーちゃんはコートを置いたままパーティーのテーブルへ。「今は何日で何時なのだ?」(時差で分からなくなっている)などと考えつつ,しばらく一人で呑む。その結果,日付けが変わって 12/5 になったという結論に達した。12/5 と言えば,俺の誕生日じゃぁないですか。(^^;; 隣のねーちゃんがコートを取りに来た時に「今日って 12/5 だよね。時差で分からなくなってたけど,俺の誕生日も今日だよ」なんて喋ってたら,誕生日の人がなんと俺も誘ってくれた(いや,ちょっと狙ってました (^^;;)。映画やドラマでは見たことあったけど,手と顔を同時に横に振って come on up! ってジェスチャーは,本当にやるんだ。ちょっと感動。(おい)

今日が誕生日の James は 42 才らしい。俺よりちょっと上くらいに見えたんだけどなぁ。「俺は日本語が喋れるぞ」っていうから「おぉっ」と思ったら
 「いち,に,さん,し,ご,ろく,しち,はち,きゅ,じゅ! どうだ!!」
どうだと言われても困るのだが。(^^;; 他にも日本語の単語を知ってる人がいて,Carolyn は「こにちは,げんきですか? さよなーら」を知ってた。こっちの方が実用的だ。ちなみにこの Carolyn は弟が俺と同業者だそうで,パソコンの設定がどうだとかいろいろ喋ってるうちに,2人遅れて登場。Carolyn が「They are bad guy!」とか言うので何かと思ったら,マリファナでハイになってるらしい。うーん,アメリカだなぁ(おい)。あ,そうそう。何杯目かのビールを頼んだら「店のおごりだ」って言われたのだ。映画やドラマでは見たことあったけど,本当にやるんだ。これもちょっと感動。そんなこんなで,何回かの toast(ショット一気呑み乾杯)を挟みつつ,結局朝の4時まで呑みつづけ喋りつづけだった。というか,ちょっと黙ってると「Hi, Dai. How are you doing? enjoying?」なので,休めなかった。(^^;; 「It's my best birthday I ever have. I really thank you guys!」と伝えて解散。ほんとに最高の誕生日だった。

4時過ぎにホテルに帰って,荷造りして仮眠。


Dec 5

いよいよ帰国。一緒に行った外科の先生はもう数日残るので,1人タクシーで JFK airport へ。チェックアウトは 10 時頃。渋滞回避でハーレムの方を回って行った。タイヤがなくてビールケースみたいなのに乗っかった車が道端にあったけど,あれはやっぱりタイヤを盗られたんだろうか?(^^;;

JFK のターミナル 1 に着いてチェックイン。タクシー料金支払いの時に分かったけど,おつり計算の引き算を足し算でやるのは本当だった。空港では手荷物検査が厳しい。ノートパソコン入れた鞄を開けろと言われて開けたら,さらにパソコンも開けろと。ちゃんとキーボードや液晶がある本物だぞ〜。ちなみにこのゲートの出口のところには,自動小銃を持った army が2人仁王立ちなのだ。変な事すると撃たれるんだろうな,やっぱり。

で,とりあえず免税店でお土産を仕入れる。チョコとかクッキーとか,そんなんばっか。ついでに Marlboro を2カートンと変な Swatch を一つ。空港の中は当然禁煙なんだけど,Phillip Morris 提供の cigarette bar だかいうのがあって,この中ではタバコが吸えた。飲み物各種もタダでもらえる。しばらくここでくつろいでると,さっきの army が入ってきた。交代時間になったらしい。せっかくなので写真を撮らせてもらった。意外とフレンドリーな人達だった。

兵士

搭乗ロビーには,子供用コーナーみたいのもあった。こっちは LEGO 提供らしい。普通サイズの LEGO で作ったコンコルドがぶら下がってる。後ろに写ってる飛行機がコンコルドだったりすると良いんだけど,世の中そううまく行くモノではない。(^^;;

レゴコーナー コンコルド

あとは搭乗して 14 時間かけて成田へ。結構寝てたので,それほど書くべき事がない。ただ,カナダあたりで湖の周りに皺がよってるような,変な地形を見つけた。なんでこんな風になったんだろう? 謎の地形が多いのだ,カナダは。

湖まわりの謎の地形

以上が始めての海外体験。日本のどこよりも NY は楽しい街なのだ。


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