Make: Tokyo Meeting 02 に行ってきたのだ

1回目は行けなくて悔しい思いをした Make: Tokyo Meeting (MTM: 八木さんによるレポート) ですが、2008/11/08 に第2回が開催されたのだ。その Make: Tokyo Meeting 02 に行ってきたので、その記録を公開。これは、機械でも道具でも作品でも、何かしらを作ったり造ったり創ったりする人達のお祭りであります。とにかく出展者が楽しんでいることがバリバリと伝わってきて、ひたすらワクワクし続ける楽しい1日でありました。出展者や主催者の皆さんに、感謝。


バス待ちの行列 MTM2 の会場は多摩美術大学。昼過ぎに横浜線を橋本駅で降りてバスターミナルに行くと、多摩美術大学行きのバス待ちはざっと 70-80 人の列。MTM ってこんなにメジャーなイベントだったっけ? などと思いつつ、満員のバスに乗車。10 分ほどで多摩美術大学に到着。関係ないけど、多摩美周辺のバス停ってややこしいですな。多摩美術大学南、多摩美大坂上、多摩美大東、多摩美術大学の4連発って。(^^;;;

会場に着くとゴゴゴーとかピヨピヨとかガチャンゴトンとかズビビビとかいろんな音の洪水が。しかし音は聞こえるものの、人の群れに塞がれて何がどこにあるのやらさっぱり分からず。何はともあれ会場を見渡せる2階のバルコニーに移動して、会場全体の様子を確認。一番奥の部分の人口密度がやたらと高いですが、この辺りがネギ振り(ニコニコ技術部)コーナーです。この一角は終日賑わっていて、MTM2 の一番人気だったと思われます。
メインフロア奥 メインフロア手前
どこに何があるかも大体分かったので、いよいよ会場の中を次から次へと見て回ります。が、あっち行ったりこっち行ったりまた戻ったりとひたすらウロツイていたので、時系列で紹介するのはあきらめます。

機械工作系

今回 MTM2 に行って実感したんだけど、どうやら俺は単純機械工作が好きなようです。パソコンでどうたらとか iPhone を入力デバイスとしてどうたらとかには余り惹かれなかったし、IC やトランジスタやコンデンサでどーのこーのも気にならなかった(これは自分の理解度の問題か (^^;;)。それに対して、動作が目で見て追えるコレがあそこを押してこうなって系とか、テスラコイルで放電しますよバリバリとか、ただのパイプだけど人はこれをパルスジェットと呼びますとか、ネギ振るだけだけど全長 300μm なのとか、影が映ってるだけだけど立体映像プラネタリウムだぜとか、そういう系統はあれもこれも気になって、目移りして大変。以下、片っ端からご紹介。

テスラコイルその1 テスラコイルその2
テスラコイルで放電!ビビビッ!!

パルスジェットエンジン点火中 パルスジェットエンジン稼働中 ターボジェットエンジン
ちょん切れマフラーに見えるのは、自作パルスジェットエンジンでーす。ボボボボ。
火を噴いてるのは点火作業中で、右側の何も見えないのが稼働中。燃料はプロパンガス。管の太い部分(チャンバー:その正体は消火器)で起きた爆発で燃焼ガスが膨張すると、周辺で燃えている部分が細い管を昇っていきます(反対側は、管が短いのでそのまま排気される)。が、外まで出ないうちに冷却されて収縮し、チャンバーの方まで火種が戻ってきます。すると、チャンバー内で再点火されて膨張し、…と、間欠燃焼が繰り返されます。
…あ、web 上で現物を発見。と思ったら、お手軽ジャム瓶パルスジェットなんてのも。やりてー。(^^;;;

そして3つめの写真は、写真ではなんだか分からないだろうけど、自作ターボジェットエンジンでーす。ヒュゴー。自動車用のターボチャージャーを流用。

以上3点は、http://htlab.net/ の人の作品です。

機械式全加算機
機械式全加算機。右側が 10 進法 I/F。左側が 2 進法演算ユニット。演算バッファ部分が3桁(?)あって、右項と左項と繰り上がりを扱うってのがなるほどでした。MTM2 で一番惹かれたのがコレ。演算が見えるのってとても素敵だ。

おもしろ工作
子供でも入手可能な材料でいろいろ工作。何しろ「子供の科学」に連載してたネタなもんで。これは二番目に惹かれた。そして工作集の CD-ROM も買ってしまった。壱阡円也。

テルミン演奏マシン
針金を近づけて、学研テルミンとマトリョミンを弾いちゃうもんねマシン。操作方法があまりに単純で笑ってしまった。でも、ちゃんと MIDI を解するんだそうです。ハイテクなのかローテクなのか、良く分からん。

ミニ飛行船
何を訴えるでもなく、会場上空にひっそりと浮かぶミニ飛行船。なんかいい感じ。

そして、野尻さんも参加していたニコニコ技術部のネギ振りミク群ですが、多種多様なミクを眺めるのに夢中で、写真撮影を忘れてた模様。くぅ。(^^;;;;; この部分については、野尻さんのニコニコ技術部@Make:Tokyo Meeting 02 を参照。

もう一つ、眺めれば全てが分かるし、とてもとても素晴らしい内容だったにも関わらず、写真が残っていない作品があります。それはヒゲキタさんプラネタリウム。投影される星数が約 6,000 のピンホール式の鍋で、「これが子犬座、これが大犬座、これが超大犬座です」等のガセ星座解説付き。そして後半のクライマックスは、大迫力の全周 3D 映像の投影。プラネタリウムが『投影』と言いつつ光点を映しているのに対して、ヒゲキタさんの 3D 映像は正真正銘混ざりモノ無し 24 金 100 カラットの『投影』です。機会があれば、もしくは自前で機会を作ってでも、是非一度見てみて下さい。見るべきです。見なさい。見ろ。(おい)

眺めるだけじゃ分からない系

見出しまで書いてから気づいたけど、非機械系作品の写真がほとんどありません!(おい) 会場内の主だったものは一通り撮ったつもりでいたけど、いかに正気じゃなかったかを思い知らされる事実だ。ま、わずかにある分をご紹介。

雪風
MTM1 での噂を聞いて、一度生で見たかった雪風。思ったより小さかったし、思ったよりも時間分解能が低かったのでスペアナとしてはアレだけど、ふと気づくと形が変わってるって感じでインテリアとしては決して見飽きない美しさ。これは、思いついて作ってみて、実際に動いたのを見たときには感動しただろうなぁ。芸術点ではダントツ。

パラメトリックスピーカー
パラメトリックスピーカー。すなわち、超指向性を持ち、特定の場所でしか(あまり)聞こえない音を放つスピーカー。複数のスピーカーで 40kHz 程度の超音波を発し、それらの干渉により、特定の場所で可聴域の音波を発生させる。実験キットを 6,800 円で売ってて、悩んだ末に買わなかったんだけど、これは買うべきだったかも…。MTM2 で唯一後悔している。同じブースの6石ラジオキットは買ったんだけどなぁ。伍佰円也。

ウダー
これもまた MTM1 の噂を聞いて、一度生で見たかったウダー。実際に弾かせてもらったけど、今までに触ったどの楽器にも無い操作感が楽しい。慣れれば確かに直感的にイケそうだけど、スケール系の早弾きは苦手そうだ。アコーデオンの左手側みたいに、片方をコードボタンにしたら世界が広がるかも。…早弾きがさらに弱くなるけど。

戦車 with ゆっくり
戦車。真空ポンプで作った圧力差で、ペットボトルやテニスボールを発射します。威力はすごくてスチレン板がペコっと凹むくらいなんだけど、発射機構の肝心な部分が見えないのが残念。なお戦車の操縦は、ニコニコ技術部のゆっくりが行っています(嘘)。MTM2 で一番のヴィジュアル系キャラクタは戦車だったと思う。

競技

スピードケーブリング大会決勝 もしゃもしゃ作成中
スピードケーブリング。もしゃもしゃに絡まった UTP をほどいて、1本ずつ分離する競技です。会場では日本初の公式大会が開催され、初代日本チャンピオンが決まりました。この競技、俺は絶対に得意だ。日常業務の中での実績を考えると、初代日本チャンピオンにもそうそう負けないと思うぞ。絶対に出場するべきだった。失敗したっ!! ← 二つめの後悔

そして右側の写真が、スピードケーブリング競技に使用する UTP をもしゃもしゃに絡める作業。この板上でまとめた UTP を、ドラム式洗濯機で3分ほどガラゴロと回します。そして巨大毛玉の出来上がり。

ハンダ付け大会 回路図
もう一つの競技、ハンダ付け大会。回路図を覗き込んだところ、割と複雑なモノだった(慣れてる人には何てことないんだろうけど)。スピードケーブリングとは違い、大きな動きも無く、みんな黙々とハンダ付けしてます。いや、当然なんだけど。(^^;;

その他とまとめ

OLPC パソコン
OLPC の百ドルパソコンが!! 出展してたのはソフトウェアでどーたらネタだったんだけど、それとは関係なく気になってしまった。思わず訊いてしまったけど、やはり日本では入手不可なんだそうで。一通り見せてもらったけど、結構良い出来というか、良い設計思想だ。やっぱり欲しいぞ。(^^;;

綿アメとセグウェイ
そして、なぜか存在した綿アメ製造機と、その後ろでたたずむセグウェイ。

あと、極めて個人的な思い出としては、ついに生野尻さんにお会いできました。

…おや。楽しみにしてたはずの、デイリーポータルZ乙幡さんの作品の写真が皆無ではないか。サーモグラフィーセーターやアレシボマフラー、とらわれの宇宙人エコバッグはとても良かったよー! あの素朴な「理系っぽさへの憧れ」とか「なんかすげー」を、いろんな人達(特に子供たち)と共有したいなと思うのですよ。科学(っぽい)ってのは、格好良かったり大上段に構えたりするものではなく、すごく身近に転がってる物こそが面白いのだ。へぇ、そんな仕組みなんだぁ、くらいの。

…いや、でも、科学はトリビアの集まりではないんですよ。うん。(^^;;;


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