Switch Pitch

Switch Pitch は玩具のボールで、たざきさんが紹介してたので存在を知ったのだ。ポンと放り投げると色が変わってる!ってなモノなのですが、これがまた非常に良く出来ているのですよ。どのように振る舞うのかは、たざきさんが紹介してる動画を見ると良く分かります。わざわざ言うまでもないことですが、こういうモノを見ると分解したくなるのが人情ですね。

参考:Hal Tasaki's logW の、 5/125/135/15(いずれも 2008 年)
手の出演:大'


動作

まずは、緑の球の状態からオレンジの球になるまでの中間状態を連続写真でどうぞ。丸いパーツに注目すると、緑丸が球の中心へと沈み込んでいくにつれて、オレンジ丸が球の内部から浮かび上がってくるのが分かります。

緑→橙 1 緑→橙 2 緑→橙 3 緑→橙 4 緑→橙 5

これだと内部の状況が良く分からないので、オレンジ丸の周囲の涙形のパーツを3つ外してみました。緑の球の状態では、中央部分にオレンジ丸が引っ込んでるのが見えます。上の連続写真と同様に遷移させていくと、オレンジ丸の周囲で左向きに立っていた突起が次第に倒れて、オレンジの球の状態ではオレンジ丸と平行な平面を作ることが分かります。この際、突起の球の外側から見える面が入れ替わってることに注意。

緑→橙 部品外し版 1 緑→橙 部品外し版 2 緑→橙 部品外し版 3 緑→橙 部品外し版 4 緑→橙 部品外し版 5

さらに分解して骨組みだけにすると、内部の構造変化が良く分かります。緑の球の状態では中央部分にオレンジ丸が引っ込んでいて、緑丸を頂点とした正4面体になっています。これが緑丸とオレンジ丸を頂点とした直方体を経て、オレンジ丸を頂点とした正4面体へと変化するのが分かります。

また前の連続写真で見た突起が、立体の辺に相当するアームから直角に生えている(というかγ字型のパーツなのですが)のが見えます。緑の球の状態とオレンジの球の状態では、突起のどちらの面(緑丸側かオレンジ丸側か)が露出しているかという違いがあります。この突起にそれぞれの面に緑とオレンジの涙形パーツが付くことによって、この面の違いがボールの色の違いになっているわけです。

緑→橙 骨格版 1 緑→橙 骨格版 2 緑→橙 骨格版 3 緑→橙 骨格版 4 緑→橙 骨格版 5

構成部品

これだけの動作をする Switch Pitch ですが、パーツ構成は極めてシンプルです。形状で分けると4種類、色の違いを考えても7種類、接着剤で固定してあるのは丸型部品の裏表だけ。うーん、すごい。

中心的な骨格となっているのがγ字型のアームです。これが部品その1で、緑色のみ。辺を構成する部分と、そこから出ている長い突起部分があります。丸形部品に嵌る先端部分が、何やら妙な形状になってますね。実はこれ、丸形部品の中でギヤとして機能しています。これによって、丸形部品のねじれ(丸形部品に垂直な線が球の中心からずれるような変形)が抑制されているようです。

γ字型のアーム ギアになってる

次は丸形部品の裏表で、部品その2とその3です。それぞれ緑とオレンジの両方があるので、色を考慮すると4種類。また、これが接着剤で固定されてる唯一の部分でもあります。裏側の部品にはアームが嵌る切り欠きがあり、この両側が軸受けになってます。

丸形部品 丸形部品の軸受け

外から見ると一番目立つ涙形パーツが部品その4。緑とオレンジの2枚の板を直角に組み合わせてあります。この2枚はパチッと嵌め込んであるだけ。緑もオレンジも、同一の形状です。構成部品は以上で全てなのだ。

涙形パーツの2枚組 バラした涙形パーツ

この2枚貼付いた板が先ほどの突起の先端に乗っかって、突起のそれぞれの面を拡張してる感じになります。これで、突起がどちらに倒れるかによって、緑涙が表面に出たり、オレンジ涙が表面に出たりするわけですね。ただ部品同士を干渉させずに球上の占有面積を最大化するこの形状って、どうやったら思いつくんだろうか。想像がつかない…。

涙形パーツがスイング 1涙形パーツがスイング 2涙形パーツがスイング 3

なお、バラした結果はこんな感じになっております。

バラした部品


おまけ

イメージ映像をお楽しみください。(おい)

静かの海静かの海 使用前使用後使用前使用後

驚く Switch Pitch驚く Switch Pitch タチコマっぽいタチコマっぽい

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