日時:2000/08/21 10:00-
場所:仙台簡易裁判所 第 103 号法廷
|------------------| | \ ○ / | ○:裁判長 | +----------+ | ●:廷吏(なのかな?) | ● ● | ☆:検察席 | | ★:弁護席(空席) | ☆ □ ★ | △:被告人 | | □:証言台 | △ | |------------------| | 傍聴席 |
氏名,本籍,職業を言わせた(人定尋問)あと,検察の起訴状朗読。
検察:「被告人誰々は,いついつどこそこにおいて 40km/h 制限のところを 65km/h で走行していたため……65km/h の印字を本人も確認した。このため道路交通法*条*項,*条*項,*条*項,により起訴した」
とかなんとか。(条項なんて,いちいち覚えてられません! (^^;;)
裁判長:「何か言いたい事などはありますか?」
被告人:「65km/h となっていましたが,絶対に 60km/h 以上は出していません。何 km/h だったかはハッキリ覚えていません。」
長:「その他の,場所や日時などについては認めるんですか?」
被:「はい」
長:「…えぇ,弁護人はいらないという事でしたが,国選弁護人をつける事ができるのは知っていますね?」
被:「はい。」
長:「場合によっては裁判所の職権で弁護士をつけることもあります。それでも弁護人はいらないのですか?」
被:「はい。」
で,検察側証拠の申請。証拠提出には被告人の同意が必要なので,裁判長が一つ一つ同意/不同意を確認して行く。結局,調書類は全て不同意。
長:「では同意された証拠をこちらに…分冊できますね?」
検:「はい,もちろん。今やってます。」
長:「…えぇ,弁護人はいなくても良いのですか?」
被:「はい。」
長:「検察側は証人がいますか?」
被:「はい。誰,それ,あれ,これ,を証人として呼びたいと思います。」
長:「それで良いですか?」
被:「はい」
長:「尋問時間はどれくらいでしょうか?」
検:「誰が 45 分,あれが,えぇと,30 分くらいで。それからこれが…これも 30 分です。」
長:「それについてはどうですか?」
検:「あ,えぇと,もちろん。…あ,時間ですね。えぇ… 15 分ほどで。」
長:「1, 2, …2時間ですか。結構長いですね。。。では次回は,えぇ,誰,それの二人ですかね。証人の尋問などをすることになるかも知れませんが,本当に弁護人はいなくて良いのでしょうか?」
被:「…」
長:「では…(目の前の廷吏(?)に向かって「えー,ほげほげ君,いいね。」「はい。」)職権で弁護人をつけたいと思います。それでいいですね。」
被:「…はい。」
で,次回日時の調整。
長:「この法廷は月曜日なので…9/11 はどうでしょう。」
吏:「あ,弁護人をつけるとなるとその準備があるので…」
長:「あぁ,じゃあもう少し後の方が良いですね。では 9/18 だと…午後になりますが大丈夫ですか?」
被:「はい。」
長:「では 9/18 の 13:30 で良いですか?」
被:「はい。」
長:「それでよろしいですね。」
検:「然るべく。」
。。。という感じで,全部で20分程度で終了。
まぁとりあえず,傍聴って始めてだったので目新しくて面白かった。内容がどうたらとは関係なく。面白かったと言えば,検察席の奥(配置図で言えば一番左上角)で背の高い扇風機がブンブン回ってたな。冷房は入れないんだろうか?(^^;;
裁判所が職権で弁護人を付けることが出来るってのは知らなかった。本人の意志に反するとは言え,まぁ妥当な判断なんだろうなぁ。「どシロートに振り回されるのは勘弁してくれ」という意志表示だと言う説もあるらしいが。(おい)
で,ちょっと気になったのが証拠採用の同意/不同意。ある調書の内容について反論したい時は,同意した上で反論するべきなんだろうか?それとも不同意を反論の意志表示にする?もしくはその調書を作る手続きについて異義を唱えたい場合はどうなる? この当たりが良く分からない。
とりあえず次回公判ではプロの反対尋問を聞けそうなので,ちょっと楽しみ。
日時:2000/09/18 13:30-
場所:仙台簡易裁判所 第 103 号法廷
第1回公判の時の配置と同じ。ただし弁護席には弁護人がいる。あと,廷吏は真中の1人だけだった。
法廷に入った時にはすでに検察側と弁護側が何やら話していたが,すぐに裁判長が入廷して話が終わってしまった。しかし開廷と同時に弁護人が裁判長に話はじめた。
弁護人:裁判長,少し良いでしょうか。この起訴状にある公訴事実なんですが,えぇ,『制限速度 40km/h を 25km/h 越える 65km/h で普通乗用自動車を運行し』と書いてあります。しかし(道路交通法の)22 条を見ますと『制限速度を越えた速度でこれを運行してはならない』とあります。ですから 25km/h 越えてとか 65km/h でというのは公訴事実には当たらず,余事記載になるのではないでしょうか。というのは,どの程度越えていたかと言うのは情状に当たるものであって,公訴事実である 22 条違反そのものではないわけですね。ですから,22 条違反と言うのは『制限速度を越えた速度で』という部分であって,どの程度越えてるかというのは公訴事実そのものではないと。そりゃ反則金の金額とかには関係するかも知れませんが,反則金は行政に属するものであって,刑罰は罰金とか懲役とか禁固とかなので,司法で扱う内容ではないのじゃないかとこう思う訳です。
とかなんとか。唐突にまくしたてられた裁判長は「つまりどういう主張でしょう?公訴事実を否認すると言う事ですか?」などと聞き返す。
弁護人:いえ,そうではなくて,公訴事実に余事記載があると言う事を指摘したいわけです。被告人との今朝の打ち合わせの通りであるとすれば,『制限速度を越えた速度で』という事実は被告人は認めるはずですから,公訴事実が変更されればそれを否定するものではない,と,このように考えるものです。そもそも余事記載というのは被告人の防衛権を著しく侵害するためにダメだという事になっているのであって(以下,長くなるので省略)
裁判長:そうすると…公訴事実の変更をしてほしいと,そういう事になりますかね。まぁ通常こういう事は書いてあるんですが…
弁護人:はぁ,そうですか。私,道路交通法違反の裁判ははじめてなモノで。しかし他の件がどうこうではなく,今回の件について余事記載があると指摘しているのですから…
裁判長:えぇ,検察としてはいかがですか? 返答出来ますか?
検察:いえ,わたくし独自の判断でどうこうという事は出来ませんので,ちょっと上と話してみないと…
裁判長:そうですね。そうすると…その結果によっては証拠の認否も修正がありうるという…ことになりますよね。
弁護人:えぇ,一部変更が生じる場合もありうるかと。もちろん許可をいただければですが。
裁判長:すると,今日はとりあえず何も出来ないという事になりますか。では次,いつにしましょう。
…という訳で,実は何もやらずに終わりました。(^^;;
上で「被告人との今朝の打ち合わせ」って強調してありますが,なんでも被告人と弁護人は当日の朝にはじめて会ったんだそうで。(^^;; ついでに触れておくと,どうも弁護人は普段は不動産関係を専門にしているのではないかとの噂。
まぁ,実際どういうつもりなのかは知らないけど,もしも時間稼ぎ作戦だとしたらベストな方法だよな。公訴事実の文章が不確定となると,まさに何も出来なくなる。時間稼ぎだという前提で勝手に深読みすると,次回予定を決めるのになかなか都合が良い日がなかったってのも作戦のうちか? 考え過ぎか?
他に考えられるのは,不同意として却下した証拠の問題かな。証拠類を却下しまくってるから,このままだと何を根拠に議論するんですか?って状態なのかも…などとちょっと思った。あとは,単なる正義感に基づく主張で,作戦でもなんでもなかったとか。
弁護人やってた弁護士さんは,法廷では「馬鹿?」(失礼!)って感じに見えたんだけど,閉廷後の打ち合わせの時(なぜか誘われて同席)は全然違う印象だった。やっぱりプロなんだなぁというか,大人って汚いよなぁというか。(単なる気のせいだったりして:)
とりあえず,どんなにダメそうに見えても弁護士と名の付く人の敵にはならないようにしとこう。(^^;;
日時:2000/10/23 13:30-
場所:仙台簡易裁判所 第 103 号法廷
第1回公判の時の配置と同じ。ただし弁護席には弁護人がいる。あと,廷吏は真中の1人だけだった。
時間を1,2分過ぎて法廷に入ると,被告人がいない。裁判長,弁護人,検事が「刑事訴訟法の *** 条ですかね。3年以下の懲役または50万円以下の罰金の場合…」「最初に出廷を免除する命令を出してもらえれば(笑)」とかごちゃごちゃ言っている。そうこうするうちに廷外の警備員から連絡が入り,それを聞いた廷吏が「駐車場が混んでるそうで。駐車場にいるようです。」とか言う。「じゃ,もう少しですね。待ちますか。」と裁判長。
んで被告人登場。本人確認(名前を聞かれて「はい」って言うだけ)のあと審理開始。最初は前回問題になった公訴事実に付いて。
裁判長:「では弁護人,意見書は朗読しますか?」
弁護人:「いえ,書面の通りなので。」
長:「検察は朗読しますか?」
検事:「では… 弁護人による,公訴事実における『制限速度を 25km/h 越える(略)』が余事記載にあたるという意見について(略)これを省略するとなると『制限速度を超える速度で普通乗用車を進行させた』という具体的記述の全くない公訴事実となり,被告人の防御権を保護する目的で刑事訴訟法に規定された「できる限り日時,場所,方法を具体的に特定して記述する」という要件を全く満たせないのは明らかであります。よって(略)」(長くて早口で良く分からん)
弁:「裁判長,道路交通法第 22 条には『制限速度を越えた速度でこれを運行してはならない』とありますから『制限速度を超える速度で普通乗用車を進行させた』という記述が必要かつ十分に具体的な記述となるので…」
長:「それは書面にあるのと同じ意見ですね。」
弁:「そうです。」
長:「それでは,公訴事実に余事記載があるのではないかという弁護人の意見について,当裁判所の判断は次の通りです。刑事訴訟法第 ** 条において『公訴事実はできる限り日時,場所,方法を具体的に特定して記述する』と規定されており,これに反する事は論点を広げ,いたずらに被告人の防御権を損なう事であり(略)本件起訴事実における『制限速度を 25km/h 越える(略)』という記述は必要かつ十分なものであり,公訴事実に余事記載があるという弁護人の意見は,これを認めない。(とかなんとか)
弁:「しかしですね,『制限速度を 25km/h 越える(略)』という記載は明白に…」
長:「それは意見書の記述と同じ主張ですね。」
弁:「同じです。異議があった事を記録にとどめて下さい。」
という訳で,予想通り余事記載は認められなかった。まぁこれでやっと審理が進む。(^^;;
で,次に証拠について。裁判長から証拠の認否について変更がないかの確認があり,弁護人が不同意→同意の変更が何点かある事を告げる。実際には甲の方の証拠(本人以外の周辺もろもろについての証拠らしい。現場見取り図とか警察官の供述書とか速度計測器の点検記録とか。)は,被告人の母親の供述書(被告人の人柄がどうだとか言う内容らしい)を除いてほぼ全て同意。乙の方の証拠(被告人本人についての証拠らしい。本人の供述書とか戸籍抄本とか東北大の総長による在籍の証明とか。)は供述書以外はほぼ全て不同意。不同意なんだけど,結局は裁判長の判断で証拠に採用。そして検察側からそれぞれの採用された証拠についての概要説明。
あとは次回日程を決めて,今後の予定について。
長:「では次回に論告求刑をして弁護側反対尋問をして(略)結審ですかね。そして次に判決ということで。」
次というのが次回か次次回か良く分からなかったが,とにかく一気に進むらしい。
いやぁ,一向に議論が進まないのだ。うぅみゅ。余事記載の件は単なる時間稼ぎだと思うんだけど,異議まで記録させるとは思わなかったな。まぁ記録に残ったからどうなんだっつー疑問もあるけど。
証拠の同意/不同意って何のために聞くんだろう? 不同意にしても採用される事ってあるのね。もっとも,裁判所にそういう権限がないと,証拠をことごとく不同意にする事によって裁判の進行妨害が可能になっちゃうからなぁ。特に乙の方は。甲については不同意で採用されなかった証拠もあるので,まぁ良しとする(何を?)。
なんだかんだで証拠の認否までやっとこぎつけたけど,これって本来なら第1回公判で終わってるはずなんだよな。ということは,本当なら2,3回で終わる=もう終わってるはずなのか。それとも,次回で一気に審理を終わらせるってのは,今までが遅かった反動なのか?
それにしても…遅れて来んなよな,自分の裁判に。(^^;; > 被告人
日時:2000/11/6 13:30-
場所:仙台簡易裁判所 第 103 号法廷
行けなかったので不明。以下の記述は被告人からのメールでの報告を元にしています。
まずは弁護人から被告人への尋問で,当日速度違反をしていたことは間違いないが進行速度は時速 60km 以下だったことを再度主張。現場は通学路でもあり,いつもいつも取締りしていることは知っているし,いつも時速 60km 以下で進行していて,捕まったことがないことを主張(というか確認?)した。
次に検事から被告人への反対尋問。当日の聴取で行き先についての質問には答えなかったが前照灯を点灯していた理由については答えた。この理由について「単に気分の問題である」と返答。また,当日授業はなく,そのために急いでいた訳ではないことと,免許の減点が現在何点になっているかについて知らないことを答弁した。
さらに裁判官から,卒業時期と経済状態について質問された。(なんて答えたんだろ? (^^;;)
次に検察官による最終弁論(ってメールには書いてあったけど,論告求刑だなこれ)。内容は,冒頭陳述(ってメールには書いてあったけど,起訴状朗読だなこれ)に飛び道具を足したようなものだったそうで。その「飛び道具」とは免停なのだ。検察官によると,本件と以前の駐車違反を合わせて免停になるんだと。ちなみに違反歴は次の通り。
で,免停になるとマズイってんで言い逃れしようとしたに違いない,というのが検事の主張だったらしい。この件に関する私見については後述。ついでに,被告人は性悪女であるという主張もあったらしい。
そして,弁護人からの最終弁論。書いてなかったけど,きっと今までの主張の繰り返しでせう。ついでに,被告人は性悪女ではないと言う主張もしたらしい。
で,最後に「○ーちゃんが最後に言いたいことを言うコーナー」(本人談)。その骨子は次の通りらしい。
あとは次回の日程調整で終了。いよいよ判決なのだ。
弁護側の主張については,特に新しいことも何もないよなぁ。あ,性悪女じゃないぞ!ってのがあるか。(^^;; それについては,もちろんノーコメントだ。:)
で,問題は免停になるという検事の主張。上記の違反歴だと,本件の直前に2年間の空白があるんだよね。まる1年間無違反期間があるんだから,点数はリセットされるはずじゃないんかい。納得いかーん。
あと最後のコーナー。「曲面だから当たった角度が正確じゃないかも」って何だよ。面に直角に当たった分じゃなきゃ,測定機に帰ってこないだろうが。(^^;; 近頃の理科教育ってどうよ(すいません,ただの宣伝です)。あと,過去の違反についての情状は,きっとこの際関係ないのだ。
というわけで,弁護側からの有効な反撃はほとんどナシなのではないか。「取り調べ中に殴られました!」とか,そういうドラマな展開はなかったらしい。(おい)
日時:2000/11/27 13:30-
場所:仙台簡易裁判所 第 103 号法廷
またもや行けなかったので不明。被告人からのメールを元に構成するのだ。
えーっと,あらすじについては本人からのメールを引用:
本日の半尻,じゃなくて判決は,パンクして延期になりました。 パンクしたのは,スケジュールじゃなくて右前輪。頼むよ〜。
…何と申しましょうか。(^^;;;
で,弁護人は携帯を持ってないために連絡できず,かなり投げやりになってきたらしい被告人は代わりに聞いてきてくれればそれでいいや,とか思っていたらしい。そのうち弁護人からの,期待を裏切る「水曜日に延期」という電話。
あ,そうそう。他に,弁護人と連絡を取って分かった事実があるそうな。それは免停の件。検事の勘違いだったんだって。またメールから引用:
私がわざわざ免許センターせっついて 700 円も払って 免停なんて事実はない,ってことを確認したってのに, 弁護士に電話したら「検事からごめんって電話があった」そーです。 700 円払え。
うんうん。極めて納得の主張である。損害賠償請求訴訟やってよぉ。(おい)
日時:2000/11/29 13:30-
場所:仙台簡易裁判所 第 103 号法廷
またまた行けなかったので不明。被告人からのメールを元に構成するのだ。
まず始めに,検察から訴え文の訂正の申し込み。 「免停になるから」が「免停になると思ったから」に変えられていたそうで。 どうしても自分が一度「免停」と言った言葉は引っ込められないようです。 弁護士には「判決には影響ないから」と言われて訂正を受け入れたけど, 何の確認もなく(つまり訂正されたものを読みもせず)判決は言い渡されたらしい。
主文要旨は「有罪で罰金18,000円,裁判費用は最初から免除」。素直に切符にサインしてたのと同額ですな。
判決文の読み上げは延々15分も続き,内容は, 弁護士が余事記載だとしたことへの反論と, 測定器の精度や警察官の精度などのなぞりなおし, まとめとして,18,000円払えないなら4日間=1日5000円換算 +端数は1日として,拘禁だよ, でも裁判費用は勘弁してあげよう,というもの。
だったらしい。 本人曰く,今回の裁判で学んだことは下記の通り:
本人の感想によると,一番感じが良かったのは廷吏だったそうで。さもありなん。しかも受付の人にまで覚えられてて「あれ?○○さん,一昨日来てたよね。間に合わなかったの?」とか聞かれたらしい。その通りです。
判決の内容については,ごく普通ですな。でも,せっかくだから傍聴したかったなぁ。残念。本人にはめったにないチャンスだからって控訴を勧めたんだけど,断られました。さらに残念。(^^;;
ま,3ケ月以上もの間お疲れさん。